20180610

晴れ。家から博多駅まで歩いていく途中で、路上に落ちた血痕を見る。周りに警察がいたので、何かしら事件の後だろう。ポタポタという感じではなく、ボタボタと落ちていた。恐ろしい。お昼ご飯を食べた後に少し寝て起きたら、自分が自分でないような感じだった。だんだんと、小中学校の時の同級生、橋田よしのり君になっていた。鏡を見ても自分というよりは、橋田よしのり君の方がしっくりとする気持ちになっている。橋田よしのり君は一言でいうとバカだ。単純に頭が悪い。だからというわけではないけど、性格はとても良い。温和だ。橋田よしのり君とはよく川で遊んでいた。みんなから、よしのりと呼ばれていた。僕はほとんどの人に、「ちゃん」か「さん」か「君」をつけていたけれど、橋田よしのり君のことはよしのりと呼んでいたような気がする。中学校を卒業してからは一度も会っていないし、思い出したことも一度もない。ボタボタと落ちた血痕を見たその日の昼寝のあとに、僕は橋田よしのり君になっていた。

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