雨。むなくそ悪い事件だ。20歳の男が刃渡り18.5センチの牛刀で20歳の男を刺し殺した。去年の話。事件現場は警察署の前。殺された男は25ヵ所刺された。警察が「やめないと撃つぞ」と言うまで犯人は牛刀を繰り返し振り下ろした。一部始終が警察署の防犯カメラに映っていた。今年の1月31日、裁判で判決が出る。懲役13年。誰が悪いのか?殺された男は犯人の勤務先の先輩だ。犯人は先輩2人を車に乗せて居酒屋に行く。ビールや梅酒を飲んで、車を運転して帰る。先輩2人を乗せている。信号待ちで後ろから軽く追突される。追突した車の運転手は「飲酒運転を警察に言わない代わりに金をよこせ。150万円だ」と言う。犯人はトラック運転手だ。犯人は消費者金融で50万円借金をして、自分の車を50万円で売った。残りは50万円。その場に一緒にいた先輩2人は相談にのってくれる。「警察に言うとまずい」と。先輩2人と衝突した車の運転手はぐるだった。後輩に飲酒運転をさせて金を巻き上げる計画だった。SNS上でそのことを知った。警察に相談する。警察が仲裁に入り残りの50万円は払わない事に決まる。しかし、先輩2人は口実を作って半額だけでも払うように迫る。それが事件の4日前だ。殺された男の母親が言う。「騙していたことが本当なら、母親として叱りたかった」事件の日、犯人は「話したいことがある」と殺された男を呼び出した。待ち合わせ場所には道路を挟んで警察署があった。人間のクズは誰だ?かわいそうなのは誰だ?