20200322

くもり。中村文則の「私の消滅」を読み終える。175ページくらいの短い話。中村文則さんの話は重い。底が見えない穴に向かって物語が進んでいるような気がする。読者を安心させるような事もない。どんどん沈んでいく。作者のあとがきにもあったけど「仄暗い」。楽しい話ではないけれど、引き込まれていく。陳腐な感じがない。作為臭さもきっちり処理されているって感じ。魚の生臭さを消すために、お湯をかけるように。なんていうの、湯通し?文章がすごく上手いと思う。いいなあ文章がうまいの。いいなあ。音楽ができて、絵が描けて、料理ができて、文章が書けたらめっちゃいいやん。焼き肉屋の看板を見ると、2枚か3枚くらいカルビを食べたいなと思う。年だ。相変わらず、3Bポッターズの位置関係が僕の頭の中で崩れている。自分を鼓舞したり、誰かを批評したり、何かを説明したり、そういうのはどんどん削っていこう。僕のスタイルとして。歩いた分だけ進む物語でいい。大河ドラマの逆の小河ドラマがいい。「彼の砂漠の中にそっと山をつくる、そこに人差し指で小さな川をひくの」(坂本慎太郎 嘘が本当に)そこでできた小さな川くらいの物語が僕に合っていると思う。歩いていると昔の形の緑のロードスターに乗った女の人を見る。テーブルって、物を載せるのには全く支障ないんだけど、薄いより分厚いほうが、上に乗せられた食べ物がおいしくなるような気がする。珈琲舎のだの分厚いカウンターを見てそう思う。(外から見ただけ)

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